「容器で栽培する冬虫夏草」の発明者である私が、試験の結果、癌細胞が消えたのは何故かについて調べ、詳しく検討してみた。 |
顕微鏡を覗いてみると癌細胞が消えていた |
冬虫夏草の身体に対する働きについては、一般的に免疫増強、癌細胞増殖抑制、抗酸化、抗炎症、血管新生阻害などが期待できると、多くの資料論文などで報告されています。そしてこれら成分の働きを知る一つとして癌細胞増殖抑制(阻害)試験があり、この結果から、癌を予防する働きを期待できます。 川浪(BGサイエンス社長)が製薬会社研究室に依頼して実施した、肝臓癌を試験体に用いた増殖抑制試験(下写真)を見ると、増殖抑制というよりも、明らかに癌細胞の殆どが消滅しているように見えました。ということは(以下全文で「BGS」は割愛)冬虫夏草が含有している成分に癌細胞をアポトーシス(プログラムされたされた細胞消滅)させる成分が有るのではないかという期待があり。 その成分によって癌細胞がアポトーシスされるなら、血も流さず痛みもなく副作用もなく癌細胞が消滅するのですから、癌罹患者にとっては夢のまた夢のような話しになるのです。開発者として、是非とも、その成分を突き止めてみたいという衝動にかられ研究を始めました。 そこで冬虫夏草が有する成分のうちで、癌細胞阻害の期待がかかるものについて資料論文を閲覧し検証してみると、アポトーシスも含めて、抗癌活性が期待できる成分は概ね下記の8グループではないかと思われました。 しかしながら、いずれも個々の成分としての抗癌活性は確立されていない(摂取量から見て)ことから、抗癌性というよりも、これらの成分が相乗的に効果を示すことで人体が本来持ち合わせている「自然治癒力」を呼び起こし、その結果として、正常なる細胞分裂(アポトーシス)が起きているのではないかと考えました。 |
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冬虫夏草が有する成分の抗癌性を調べる |
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下番号または成分名をクリック | |
冬虫夏草が含有するコルジセピン | |
冬虫夏草に含まれる多糖体βーグルカン | |
冬虫夏草に含有する |
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リポポリサッカライドと昆虫成分 | |
エンドルフィンと遊離アミノ酸 | |
ビタミンDとエルゴステロール | |
エルゴチオネインの恐るべき抗酸化力 | |
微量元素亜鉛とセレン | |
自社の冬虫夏草と他社の冬虫夏草を比較 | |
※グラフ赤線は自社データ、黒線は他社データ |
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β-グルカンに対する検討 | |
多糖体に一種であるβ-グルカンの抗癌活性については、ブラジル原産のキノコであるアガリクス・ブラゼイの普及の過程で盛んに報じられた。しかしながらこの成分は、冬虫夏草をはじめシイタケにもエノキやシメジにも豊富に含まれていることから、抗癌性が期待できる成分ではあっても、抗癌活性を特定できる成分としての決め手はない。 | |
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タンパク多糖体に対する検討 | |
免疫を正常にするには、ビタミンA・C・D・Eをはじめ、亜鉛・鉄分・セレン・銅・クロムなどのミネラル成分の摂取を必要とする。これら成分は遊離アミノ酸と結合し酵素になって免疫細胞の代謝を高めることが期待されている。加えて癌細胞増殖抑制効果を高めるには、形成される癌細胞を異物と判断できる免疫システムや、これを食べる貪食細胞を活性化させる必要性が考えられる。これを生物的反応力または自然治癒力というが、癌罹患者は抗癌剤などによって、免疫力が極めて低下している状態にある。免疫力を向上させるには、体内にBRM(生物反応修飾物質)を増やすことが必要になってくる。BRMを増強するにはキノコ、ヨーグルト、酵素食品という菌類酵素の他に、オクラやモロヘイヤや山芋などのネバネバを多く含む食品を多く摂取することが望ましいとされている。このネバネバは多糖体(ムコ多糖体)というが、冬虫夏草の菌糸を形成する細胞壁にはキノコ多糖体に昆虫ペプチドが結合した成分が豊富に存在する。摂取すると腸内細菌が活性化して二次代謝産生物としてBRMが生成され、結果的に、癌細胞を異物とみなして除去する能力が高まるという期待があるという。 食品添加物に起因する化学物質や、残留農薬に含有する重金属は体内で消化されることがなく、異物となって腸絨毛の谷間に絡んでいる。これを排除するには有効な腸内細菌を増やして、その働きを利用する。腸内細菌(善玉菌)とはビフィズス菌・ラクトバチルス菌・フェカリス菌・コッカス菌と呼ばれる乳酸菌が大部分を占めていて、これらは、食餌から乳酸を生成して腸内環境を弱酸性に変える働きをする。この環境が長ければ長いほど異物は酸化細分化されて、絨毛上皮細胞から分泌される腸液によって押し流されてしまう。 酸化環境を適正にする腸内細菌を増やす第一の手段は、極めて強力な善玉菌を腸に取り込むことである。そうすることで、腸内細菌の大部分を占める日和見菌が善玉菌に変わるので、腸内フローラの急速な改善が期待できる。 冬虫夏草には、昆虫の驚異的な筋肉を構成するアミノ酸と、生薬が含有する糖質や多糖体を菌糸に栄養吸収しているので、菌糸細胞内で結合してリポポリサッカロイド(LPS:タンパク多糖体)となり、細胞壁を形成することになる。この虫草菌糸細胞を食べることによって、急速に腸内善玉菌が活性化するという期待がある。 |
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アポトーシスを誘導する昆虫成分に対する検討 | |
自然治癒力の中には、細胞のアポトーシスを誘導する能力があげられる。生体を維持してゆくには細胞が常に新しく生まれかわる細胞代謝が不可欠であり、この際には古くなった細胞はアポトーシスによって痛みも出血もなく消滅する。 癌細胞とは、活性酸素や放射線などの影響で遺伝子DNAやRNAが損傷してアポトーシス能力を失った細胞だから、西洋医学的にみれば、切除や細胞破壊させるネクローシスしか手段がない。ところが動物の生体には本来、アポトーシス能力を持ち合わせているものだから、癌罹患者がこの能力を取り戻すことが出来るなら、痛みも出血も副作用も見ることなく、癌細胞を消滅できるはずである。 アポトーシス能力を取り戻すには、第一に、バランス良いアミノ酸の摂取が必要である。そのためには良質な海のタンパクと山のタンパクを(もっと厳密にいえば動物性タンパク、魚貝タンパク、植物タンパク、キノコのタンパクと4種類のタンパク質)を毎日一定量を摂取することである。 これら食材の含有アミノ酸を適量摂取(リービッヒ論)することで、腸内環境の改善とアミノ酸吸収率を高めることが期待できる。アミノ酸とミネラルの一部は酵素を形成して免疫細胞の代謝を高めるほか、血液や臓器の合成に必要なタンパク質の補給、アポトーシスを担う酵素そのものの代謝にも不可欠である。 冬虫夏草の大きな特徴は、アミノ酸の多くが遊離した状態で含有されていることにある。BGS冬虫夏草は16種類の遊離アミノ酸(次項に添付)と、加えて多くのミネラルを含有しているから、腸内善玉菌による消化吸収を経る以前に消化酵素をはじめとする様々な酵素を素早く形成することが期待できる。その結果、アミノ酸吸収率を高め代謝が活発になるのであれば、消化能力が乏しい中高齢者にとっては癌を駆逐する重要な手段として期待できる。 加えて、アミノ酸の質も大きなポイントである。近年、アスリートたちが「肉を食べるのなら鶏の胸肉」と言って人気が高まっている。これは、遠くまで飛べる能力を産み出すアミノ酸の論理で、イミダゾール・ジペプチドというアミノ結合をもった肉のことである。 自重の300倍の食餌を運ぶという薬用蟻のイミダゾール・ジペプチドは、人間の知恵では計り知れない壮絶な結合性を持っているのだろう。これを冬虫夏草が吸収して菌糸細胞壁に取り込むのだから、人体にとって脅威的な効果を発揮することが期待できる。 また、カイコから発芽する冬虫夏草にアポトーシス誘導効果があるという報告が数例あがっている。上述したようにコルジセピンを含有していないコルジセプス・シネンシスにも癌細胞増殖抑制作用がみられるのは、カイコの成分にこの働きがあるからだと思われる。 弊社の研究では、カイコのサナギエキスから冬虫夏草を発生させた場合、溶液(0.1%)を投与して48時間後に85%におよぶ癌細胞が消滅する試験結果を得ている。これは.サナギの中でイモムシから成虫になるためのアポトーシスが行われているタイミングに合わせて虫草菌糸を接種するという方法で、サナギに存在するアポトーシスに関わる幾多の酵素が、冬虫夏草に吸収されているからだろうと推測できる。これらアポトーシス誘導物質が冬虫夏草の菌糸細胞壁の一部を形成し、やがて生体に運ばれて癌患者のアポトーシス誘導能を高める要因となっているのなら、これは素晴らしいことである。 |
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遊離アルギニン | 258 | 遊離アラニン | 123 |
遊離リジン | 102 | 遊離グリシン | 17 |
遊離ヒスチジン | 51 | 遊離プロリン | 46 |
遊離フェニルアラニン | 12 | 遊離グルタミン酸 | 457 |
遊離チロシン | 136 | 遊離セリン | 61 |
遊離ロイシン | 15 | 遊離スレオニン | 63 |
遊離イソロイシン | 11 | 遊離アスパラギン酸 | 136 |
遊離バリン | 45 | 遊離トリプトファン | 9 |
(単位:mg/100g/日本食品分析センター) |