世界スポーツ界にとって、8年間で3倍超となった中国の金メダル急増は、極めてショッキングな出来事だった。それ以上に驚いたのが、青蔵高原(チベット)に生息する冬虫夏草という神秘なキノコのスポーツ能力を向上させる効果でだった。早速、買い求めようとする外国スポーツ関係者で北京や大連の薬房は大混雑。さらに欧米では、華僑が営むチャイニーズ・ショップに冬虫夏草サプリの購入を切望するアスリートの予約が殺到し、取引価格が天井知らずの高騰を続けたのでした。チベットには世界中からバイヤーが集まり、壮絶なぶんどり合戦を繰り広げ、住民たちも雪が消えると直ぐに山に分け入って、枯草を掻き回し(下写真)て血眼になって探しました。
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冬虫夏草の価格が高騰
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オリンピック前はキロ当たり80万円だったチベットの冬虫夏草。オリンピック直後にはキロ当たり800万円という高値で取り引きされる異常事態となりました。採っても採っても高値がついて売れる冬虫夏草。
一方で、中国の工業近代化は山奥にまで及んで(上写真)、環境破壊が猛烈なスピードで進んでいました。自然の楽園だったチベットにも大気汚染が広がって、希少だった冬虫夏草が全く採れなくなり、冬虫夏草バイヤーたちは、チベットからブータン、ネパール、ミャンマーへと探索の足を伸ばし、その一方で始まったのが冬虫夏草の人工生産でした。 |
冬虫夏草を人工栽培
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チベット冬虫夏草が採れないと
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世界中から冬虫夏草の購入願望が高まってくるに連れて、中国選手でもチベット冬虫夏草が手に入らなくなりました。しかたなくネパールやミャンマーの冬虫夏草、あるいは人工生産ものを食べながら猛練習に励むのですが、下グラフのとおり、オリンピックにおける金メダル獲得数は急降下する一方です。これから見ても、チベットの冬虫夏草以外には、アスリートのスポーツ能力を向上させる効果がないことが明らかです。 |
冬虫夏草と金メダル数
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昆虫パワーがオリンピックを制す
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バッタは自身の体長の40倍も跳び、蟻は体重の50倍の食物を提げる、ミツバチは6時間も全速力で飛ぶなど、昆虫の持つ能力は人間を大きく超えています。このパワーの根源は何なのか、昆虫の筋肉は人間のものと違う構造なのか。解明を進めると、バッタも蟻も同じタンパク質の筋肉をもっていることが分かりました。違いは、そのタンパク質の連結構造がジペプチド(2つ繋ぎ)だということです。大阪市立大学の研究で、この成分には抗疲労効果、並びに疲労回復力を高める効果が有ると確認されました。とすると、ジペプチドを上手く食事で摂取することで、東京オリンピックでも驚異的な大活躍が期待できるということです。
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