世界でいち早くフード・イノベイション(食事革命)を実践したアメリカは、34年後の2011年には心筋梗塞の死亡者数が58%も激減、癌による死亡数も17%減少。 |
非営利団体のアメリカ癌協会がアメリカの癌発症・死亡数の推計を発表した。これによると、アメリカでは今年165万人が新たに癌と診断(全国民の0.47%/日本では0.83%)され58万人が癌で死亡(全国民の0.17%/日本では0.3%)すると推定された。 アメリカでは2007年~11年の5年間で新たに癌と診断された男性数は毎年1.8%減少し、女性は横ばい状態が続いている。 死亡率は男性毎年1.8%、女性1.4%も減少している。 これに対し、アメリカ癌協会のチーフ・オフィサーを勤めるジョン・セフリン博士は予防医学の成果を次のように述べた。 「癌の罹患率・死亡率は減少傾向にあり喜ぶべきことだが、癌との戦いはまだまだ続いている」 |
アメリカで食事革命が始まったのは、1977年に発表された「マクガバン・レポート」が始まりである。 当時のアメリカは日本と同様に、死亡原因の第1位は悪性新生物(癌)だった。そこで当時のニクソン大統領が癌による死亡率を半減しようと、アポロ計画を削減して癌治療技術の改善に予算を投じたが、癌は減少するどころかますます増加して、1977年にはその治療費が当時の日本円で25兆円(日本は現在15兆円)にも達してアメリカ経済が破綻しかねない状況になっていた。 その当時の大統領だったフォード氏は、治療より予防対策に重きを置く方針転換をして、副大統領のジョージ・マクガバン上院議員を委員長とする栄養問題特別委員会を設置。医師・薬学研究者など3000人ものスタッフを集め200億円の巨費を投じ、2年間かけて調査した結果を5000ページにものぼる「マクガバン・レポート」に纏めて、議会上院で発表したのである。 |
今から50年も前のアメリカだから、食品添加物など化学成分の入った食事は希だった。これら食品添加物の加工品が広がったのは1980年代。スーパーマーケットが主流になって冷凍食品や冷蔵加工品がショーケースで販売されるようになってからである。このことを念頭に当時のフーズ・イノベイションを検証してほしい。 [世界初のフーズ・イノベイション] 慢性病とは、肉食中心の誤った食生活がもたらした食原病であって、医薬では治らない。 食事については、ビタミン、ミネラルの特にカルシウム、鉄、ビタミンABCEの不足がひどく典型的な若年死の食事である。 [7項目の食事改善の指針] (1) 主食は全粒穀物 (未精製・未精白穀物) (2) 豆類を食べる (3) 野菜を多食し野菜は生食 (4) 海藻を食べる (5) 魚介類を食べる (6) 乳製品・卵は控える (動物性食品) (7) 獣肉食は控える、避ける |
高カロリー高脂肪の食品、つまり肉や乳製品、卵といった動物性食品を減らす。できるだけ精製しない穀物や野菜果物を多く摂る。さらに委員の1人でもある精神科医のレーザー博士は「精神分裂病(統合失調症)の原因はジャンクフーズ病(高カロリー低栄養食)にある」とまで言いきった。 |
②現在40%の脂質を30%に減らす ③飽和脂肪酸を10%減、多価不飽和脂肪酸10% ④コレステロールを1日300mg以下に ⑤砂糖を15g/日に減らす ⑥塩分を3g/日に減らす |
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[タンパク質と癌の関係] 動物性タンパク質の摂取量が増えると乳癌、子宮内膜癌、前立腺癌、結腸・直腸癌、膵癌、胃癌などの発生率が高まる。これまでの西洋風な食事では、脂肪とタンパク摂取量との相乗関係が有り、結果的に癌が発生しやすい体質ができる。 |
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