突然死と癌化を防ぐセレン

化学物質に対する慢性拒絶が癌化の原因であることは、すでに述べたとおりです。食品添加物の慢性拒絶による消化器癌（舌・口腔・食道・胃・十二指腸・腸絨毛・大腸・直腸・膀胱）のほかに、外気と接する肺にも大気やタバコに含有される化学物質の慢性拒絶から肺癌が発生します。さらに化粧品や日焼け止めクリームに含有される化学物質の慢性拒絶（化粧品によっては赤く腫れる）も皮膚癌の要因です。これら、化学物質による生体への侵略に対して、私たちは如何なる防衛手段を以て臨めばよいのでしょうか。そんなことを気にしたら食べる物がなくなると諦めるのはまだ早い。

呼吸器官である肺には、およそ８億個の肺胞が集まっています。１つ１つが毛細血管に包まれ、体内を巡る血液によって二酸化炭素など排出ガスを酸素と交換（左）しています。この肺胞に大気やタバコに含まれる化学成分が溜まれば、これらを外敵と認識する免疫システムによって活性酸素などの攻撃が活発になり、慢性拒絶を起こして、ウサギの耳の実験が示すように癌化が始まります。
さらに、水溶性または揮発性の化学物質が肺胞に入ると浸透して毛細血管に取り込まれ、肝臓を経由し、運搬酵素によって臓器に送り込まれる最悪の事態となります。

大阪の印刷会社従業員ら１７人が胆管癌を発症し、うち９人が死亡した事件は記憶に新しいですね。原因はインクの剥離剤として使用していた化学物質「１・２ジクロロプロパン」と推定されています。この物質は揮発性のある有機化合物で、体内に入ると胆嚢あるいは胆管の代謝に必用な成分と認識されるのでしょうか、運搬酵素が誤って運んで胆管に蓄積し、これが免疫システムによる慢性拒絶を引き起こして癌化したということです。

土壌のセレン濃度が高い地域ほど癌発生率が少ない、という研究がアメリカで発表されました。セレン濃度が高い地域に育つ農作物はセレン含量が多く、常食する住民の血中セレン濃度も高くなって癌予防につながるとの報告も有り、中国ではまさしく「命の華」と呼ばれています。
その中国で、過去にセレンに関する大きな事件がありました。右の丸（灰色）印、中国東北部や南西部の山岳地帯に心臓マヒで死に至る疾患が多発。３５年に亘って研究した結果、１９７０年にセレン欠乏症と断定して「克山病」と病名がつきました。

セレンと遊離アミノ酸（単体のアミノ酸）で構成されるグルタチオン・ペルオキシダーゼ（セレン酵素）は、活性酸素による生体防御（慢性拒絶を防ぐ）において重要な働きをしています。また、セレンには抗酸化力の強化だけでなく、心筋を安定させ毛細血管を拡張することによって血圧を正常化さる働きも有ります。
癌については、癌細胞のシグナル伝達に反応して癌細胞増殖を抑制しアポトーシス（自然なる細胞死）を誘導する効果があることが分かってきました。日本でも馴染みの少ないセレンは、不足すると上記のほかに、老化促進、過労、精神力衰退、甲状腺腫、甲状腺機能障害、流産、ＥＤなどの要因になることが分かっています。また、最近の研究ではインフルエンザやノロ、ＨＩＶなどのウイルス増殖阻害に高い効果を示すことが分かってきました。毎日１００～２００マイクログラムを摂取することで高い効果が期待できると報告されています。

有用微量元素・セレンは老化に伴って、生体に吸収され難くなるミネラルです。その理由は、小腸絨毛の谷間に食品添加物が蓄積するなどでなどで小腸の働きが衰え、分解吸収力が低下するからです。
足らないからといって、無機セレンや分解されにくい有機セレンを摂取すると、激しい拒否反応が現れて嘔吐や下痢を繰り返します。
また、過酸化脂質が多いなど酸化体質の方には、抗酸化成分含有食品と一緒に摂取しなければ、過酸化成分を除去することが出来ません。

上図のように、生物由来セレンと腸内細菌活性成分、抗酸化成分を同時に摂ることで消化吸収力が高まるため、大きな相乗効果が期待できます。
生物系セレンの中でもっとも安全で安心なのがセレン含有酵母菌（右写真）、腸内細菌活性がもっとも食効が高いのが３界（植物成分・動物成分・無機成分）の栄養素で発生する冬虫夏草、抗酸化食品でもっとも良質なのがポリフェノールがいっぱいの北欧産ビルベリー、アントシアニン豊富なヘマトコッカス藻で構成される食品が効果を高めます。

左図はセレンの採掘鉱が有る地域です。この地域に育つ野菜や小魚や貝類はセレン含有が豊富と考えられます。でも、小魚や貝をよく食べるから「セレンは足りている」と判断すのは突然死にもつながることですから、きわめて危険です。
セレンの１日必要量は３０才女性で２５マイクログラム、授乳時ならその２倍ですが、食品で摂ると牛レバー５０グラムまたはカツオ節１０グラムほどです。この程度は毎日の食事で確保できますが、心配されるのが小腸の活性と腸内が弱酸性に維持されているか、また、セレンを吸収する消化酵素は有るのかという不安です。小腸の状態が悪いと折角のセレンも吸収できません。


本協会が指導監修した、セレン含有のサプリメント。これは、国産の冬虫夏草と酵母菌含有セレン（天然由来）を一緒に腸に導くという特徴がす。冬虫夏草の働きによって腸内善玉菌を活性化し、冬虫夏草の含有する遊離アミノ酸とセレンを結合させてセレン酵素をクイックで形成させる目的です。さらに、漢方生薬の陳皮がもつ毛細血管拡張作用とアスキタサンチン・アントシアニンなどのポリフェノールがセレン酵素と連動して強力に抗酸化パワーを発揮させる考えです。詳しくは下記より専門店に進んでご確認ください。