小腸絨毛の谷間に絡まった残留農薬に含まれる重金属、食品添加物に含まれる化学合成物を、どうやって除去すればよいのだろうか。正常な腸の状態なら、腸粘液でブロックして煽動運動で押し流すというメカニズムになるが、腸の老化が進むと煽動が弱まり便秘が高じて(宿便)押し出すことも洗い流すこともできず、また医薬に頼っても容易に排出はできない。そんな腸の状態を改善するには、ただちに食事革命を実行するしかない。 |
腸内細菌の働きと重要性を理解できるように、身近なカルシウムを例にあげて説明します。右絵で牛乳・チーズ・メザシに含まれるカルシウムはリン酸カルシウム、小エビ・海苔・ヒジキ・小松菜・高野豆腐は炭酸カルシウムが含まれます。 食品やサプリメントに含有されているカルシウムの殆どがこの2つの成分ですが、このどちらも、水に溶けにくく胃酸でも分解しません。 |
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ビフィズス菌 ラクトバチルス菌 フェカリス菌 |
水に溶ければ骨や歯が簡単に溶けることになり、胃酸で分解されれば危険度の高い塩化カルシウム(融雪剤)になってしまいます。結局は分解されないまま小腸に達し、多くが絨毛に蓄積して食物の消化排便活動を阻害します。カルシウム・サプリメントを食べるとよく便秘する方は、このケースです。 ここの状態を解消するのが腸内細菌の働きです。左のように、ビフィズス菌・ラクトバチルス菌・フェカリス菌は代表的な腸内乳酸菌です。甘いお菓子を食べて歯磨きをしない時に歯を溶かすのはラクトバチルス歯、これが口腔に増殖して乳酸が産生されるので、歯間は弱酸性の環境に変えられ、ゆっくりと歯(リン酸カルシウム)が溶けて次第に虫歯が増えてきます。 この原理と同じように腸内でも腸内乳酸菌が活動して、これらの産生物で弱酸性の環境を創りだすことによりリン酸カルシウムや炭酸カルシウムが溶解され、絨毛の谷間から排出されます。 カルシウム成分に限らず、亜鉛やセレンなど多くの不溶性化合物(水に溶けない食品添加物)も同じように、弱酸環境で溶解されて大腸に排泄されます。 ソーセージやワインの酸化防止剤(乳酸菌の活動を阻害する化学成分)を度々摂取すると、前述のように腸内乳酸菌が失活するので、腸内環境を弱酸性にすることが出来なくなります。 こうなると、カルシウム化合物も化学合成物質も重金属も分解排出されずに絨毛間に止まり、慢性拒絶を起こして、ウサギの耳の実験のとおりに周辺の上皮細胞が癌化し始めます。 |