腎虚と内分泌の障害 副腎とは、腎臓の上部にあって腎臓と一体になった形をしていることから「腎上体」と呼ばれます。 この副腎のトラブルも「腎虚だ」ということは、五行思想がまとめられた紀元前には、この器官が腎臓の一部分として解釈されていたからなのでしょう。 しかしながらこの器官は尿とは関係しない内分泌器で<アドレナリン>など身体の機能をコントロールするホルモン、または<ステロイドホルモン>を生合成して血液中に放出する働きをしています。 また、副腎の外部を構成する副腎皮質は<アンドロゲン(男性ホルモン)>を生成することでも知られていますが、ここにも多くの毛細血管が集まっていて、体内の臓器や器官から「ホルモンを送ってくれ」という指令が出ればすぐに生成して毛細血管に放出し、必要としている箇所にホルモンを供給するようシステムされています。 腎臓で排泄しようとして、たっぷりと不純物質を取り込んだ血液が、腎動脈から分岐して副腎に流れるのですが、血液中に不純物質が増えてくると、ここでも腎臓の糸球体と同じように、毛細血管で不純物質が停滞するというトラブルをおこします。 さらに、血液の供給が少ないから、ホルモンを作るために必要な栄養分が不足するし、ホルモンを欲する臓器からシグナルを受けても、即座にホルモンを送ることが出来なくなります。 結果として、ホルモンの生成機能は衰弱してしまい、ホルモンを受け取れなくなった臓器器官からは異常を示す警報が発せらるようになります。 この警報こそ、腎虚を示す症状なのです。 腎虚が示す身体の異常 上に述べてきたように、酵素の失活とそれに伴う代謝の衰え、そしてホルモンの供給が乱れるという不測の事態に対し、臓器や器官は様々な症状を示します。 精力減退・耳鳴り・めまい・難聴・白髪進行・歯のぐらつき・足腰衰弱・肩こり・背筋痛・腰痛・関節痛・リウマチ・骨折しやすい・不眠・倦怠感・不安・口喉の渇き・寝汗・免疫低下による風邪引きや感染症などの不調が毎日のように繰り返されます。 女性では生理不順・不妊・流産・早産・未熟児出産・早期閉経。 最近では腎虚が子供にまで広がって、永久歯が生えない・若白髪・ショック症・インフルエンザ感染など、年齢を問わず、腎虚の兆候があらわれます。 腎虚がさらに進行すれば、高血圧・脳卒中・脳梗塞・骨粗鬆症・腎不全・前立腺障害・膀胱ガン・子宮ガン・糖尿病などの発症をみて、結果として死に至ることもあるので看過することはできません。 |