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キクラゲの栽培手順 
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菌床入荷荷下ろし
キクラゲ菌床を発注して気候が恵まれる4~10月には約50日で菌糸が蔓延、寒い冬期には約70日ほどで菌糸が蔓延する。
基本的に、10tトラック1台で菌床3000個の輸送が可能です。栽培地では栽培者が菌床おろし作業と空コンテナ組み込みを行う。
運搬車両(運送会社)の到着時刻については、栽培者が午前8時(または9時)または午後1時を指定する方がよい。午前便の場合は午後1時前には作業を終える、午後便の場合は午後5時までに作業を終えること。
トラックは、菌床4個(または6個)を1つのコンテナに入れてこれを重ねて積載(下)している。よって1コンテナの重量は13~19kgになる。
 
 

荷受け人数は5~6人(トラック荷台2、ホークリフト1、箱出し作業2~3)で荷下ろし時間3~4時間。但し、トラック運転手は荷下ろし作業の頭数に加えない(運送業の安全運転義務)方が良い。 
菌床下ろしが終わったら上記のコンテナをトラック荷台に積んで、荷下ろし作業が終了する。
ここで注意事項は、菌床を投げたり落としたりしないことです。乱暴に扱うと菌糸が切れて発生量を減らしたり最悪の場合は菌床が腐敗することもあります。 

棚配列 
既に提供した図面に基づいて菌床(下)を配列します。菌床寸法は、高22×幅14×奥行17センチです。
また、菌床奥に付帯するビニール袋は菌床袋の余剰分ですが、切除すると過乾燥になったり雑菌の入り口になるので、上手く折りたたんでおいてください。 
 
 
 
菌床の初期養生
冬期に届いた菌床は低温で菌糸育成され、さらに異常な寒波にさらされていたため、菌糸が休眠しているような状態です。よって、すぐに袋切り(菌床の外袋に切り込みを入れる作業)をすることは出来ません
よってこれをゆっくりと栽培温度に近づける作業(約2週間程度)が必要になります。日々、徐々に温度を上げて菌糸の状態を確認したり、温度の上がり具合、温度のムラ(庫内で温度の高いところ低いところ)、加湿テストによる加湿ムラ、加湿時間などを調整したり栽培設備の状態の把握をしてください。
温度ムラがある場合は暖房機の位置をずらしたり、加湿ムラが有るときは加湿器の噴射角度を変えるなど、付帯装置のコンデションを調整してみてください。
庫内全体的にムラがなくなったら、最終的に栽培温度を設定しましょう。

栽培温度
温度を上げるのに空調式加温機を使うことは、トラブルの元凶です。オイルヒーターのように風のでない暖房がベストですが、ネポン式の温風暖房機を使用する場合は栽培床にネポンの吐出口と同寸法のビニール筒をはわせて、その中に温風を閉じこめて暖をとる方式をとってください。
乾燥した温風を菌床の袋切り部分に当てると微細なキノコの芽が枯れてしまいます。必ず風のでない加温に心がけてください。菌糸の成長温度は12~28℃ですが、キクラゲの発芽温度は22~26℃が適温で通常栽培する温度は以下になります。
 □昼間22~26℃
 □夜間14~18℃
なお、この温度は絶対的なものではありません。例えば早く収穫したい場合には温度を高めに、収穫をゆっくりとしたい場合は温度を低めにします。また、夜間は昼よりも温度を低めに設定(12℃以下にすると収量が低下)する方が、収量が上がるし肉厚のキノコが収穫できます。

温度管理と換気
上記のことから、キノコ栽培において「温度は一定」でない方が良いキノコが採れます。よって、熱量を逃がさず効率的な換気をするには以下の方法です。
昼間は温度を上げて熱量供給→夜間に換気して熱量放出
夜間には菌床温度を下げるために換気して、昼間に菌床の温度を上げてカロリーを産生します。

栽培湿度
菌糸培養する場合の湿度については厳密な設定は不要ですが、温度と同じように湿度のムラが生じないかをチェックするので、過乾燥になることはありません。
ほぼ2週間の菌糸養生が終わったら、袋切り作業に備えましょう。換気を止め外気を遮断して、内壁や菌床表面、床がビッショリになるくらい湿度を高めます。つづいて換気装置を作動してください。
栽培庫内が85~95%の湿度設定をしてください。しかしながら、この数値よりも大切なのが霧の精度です。例えばホースで水掛した場合は菌糸が痛んだり菌糸内に吸収しなかったり水道代が嵩んだりトラブル続きです。もっとも良いのは、空気と水分が飽和した状態です。非常に小さな水の粒子をを菌糸の呼吸によって吸収するので、常に菌糸が活き活きとして、高品質なキノコの増産に繋がります。

換気の設定
上記のように濡らして次に換気をかけて、どのくらいで菌床が乾くか、乾燥ムラがどこにでるかをチェックしましょう。そして乾燥ムラがでないように噴霧器の吐出向きを変えたり位置をずらして、ムラが少なくなるようにセットしてください。これで尚もムラが出る場合は、その箇所をマークしておいてください。乾燥ムラが出る場合は肩掛け式の噴霧器で追加噴霧を、逆に袋内に水溜まりが出来るなど水濡れムラが有る場合は栽培棚の天端にビニールシートを貼って霧が少なくなるような工夫をしてください。

湿度管理と換気
換気を始めると庫内湿度は急激に低下します。ところが菌床に充分な水分の結露があると、湿度が下がっても全く問題はありません。また昼間に加湿して湿度を高め温度を上げてやれば、湿度と換気は両立できます。

温度・湿度・換気の管理
上記の管理を時間的にまとめると以下のとおりです。
【昼間】温度24℃ 湿度90% 換気なし
【夕方】ハウスから帰る前    換気有り
【夜中】温度15℃ 湿度80% 換気なし
【朝方】ハウスに到着時に    換気有り
【午前】温度24℃ 湿度95% 換気なし
【昼間】温度24℃ 湿度90% 換気なし
発芽時】温度上げる、湿度増やす、換気多く
 
袋切り
菌床を覗いてみて、菌糸が動くことが確認できたら袋切り作業に取りかかりましょう。下写真で赤線はカット部分です。菌床を立てて栽培する場合はカットも縦方向に寝せて栽培する場合も縦方向にカットします。カットを横向きにした場合は上から流れてきた水分を菌床内に呼び込んで溜めてしまい、これが原因で菌糸が腐ったりカビが発生する原因となります。
 
 
 
上写真の赤線部分をカッターナイフで3~5ミリ深さ、3センチ長さになるよう切り込みを入れます。カットが浅い場合は発芽が遅れ、深い場合は菌糸がたくさん切れることからカビが出る怖れがあります。またカット長が長すぎる場合は規格外の脇芽(下)が増えるし収穫時に菌床に大きな穴が開くなどトラブルに見舞われます。また短い場合はキノコ寸法が小振りになるので、収穫までに時間が掛かります。 
 
 
カットを3センチ前後にすると1つのカットから平均2枚ほどのキノコが成長するので菌床単位から16枚ほどの良形キクラゲが収穫できます。 
 
2回目の袋切り
第1回目の発芽分を収穫すると、順次、2回目の収穫に向けての袋切りをします。初回と同じ菌床面でカットしてない場所に同じく8ヶ所の切り込みを入れます。その時に、初回発生分のキノコの芽や摘みそこなったキノコの石ズキ(根元部分)が残っていたら同時に整理してください。

3回目以降の袋切り
第2回目の発芽分を収穫すると、順次、3回目の収穫に向けての袋切りをします。今度は同じ菌床面では発生が乏しいので、回転させた新たな菌床面に同じ要領で切り込みを入れます。この場合、前回前々回のカット面から水が入り込まないよう下向きに置いてください。菌床内に水分が溜まると、腐敗やカビ発生の原因となります。
4回目のカットも3回目と同じ菌床面にします。
4回目収穫が終わったら、菌床を回転させてカットしてない面を手前に向け、同様に切り込みを入れて発生を待ちます。
4回目収穫が終わったら5回目発生に向けた準備をしますが、菌床はもうそろそろ最終段階です。菌床のぐるりを見渡して、カットしてない箇所に切り込みを入れて発芽を待ちましょう。この段階までなると良形のキクラゲが少なくなりますが、次の新しい菌床が入荷されるまでは同じ要領で切り込みを入れて発生を待ちます。収穫で規格外が増えてもサプリメントにするので、時間のある限りは頑張って作業を続けましょう。

菌床の残渣について
収穫が終わった菌床は一手間加えるだけで高品質の肥料になるので、廃棄しないでください。
先ずは菌床外面のフィルムを破がして、バラバラに崩します。これを陰干しして水分を抜くと、これで加工作業は終わりです。近所の圃場に投入するか、ビニール袋に詰めて商品化することも考えられます。果物や根菜などの追肥として利用すれば、驚くほど良形の果菜を収穫することができます。
 
要注意事項

キノコバエに注意
栽培者さんの多くが抱えているトラブルに、キノコバエの増殖があります。この原因は以下のとおり。
①菌床を乾燥させ、その上で水濡れさせる
②換気が不足している
③収穫後処理が悪い(石ズキが残ったまま)
④菌床クズや規格外キノコを床に落とす
⑤通気孔や窓に防虫ネットがない
⑥習慣的に古い菌床を持ち続ける
⑦蠅取りテープまたはシートがない

特に⑦の蠅取りグッズは、発生してない初期段階から充分に設置しておく必要(安いものだから多めに)があります。その上で蠅が出るなら、その原因を徹底的に探し出して取り除く必要があります。
蠅を放置していると菌床の中に卵を産んで産卵し、幼虫の段階でキノコを食餌として増殖。商品化にも大きな障害(販売店で羽化しウジ虫がゾロゾロ)となります。



 キクラゲの収穫乾燥・商品化