子嚢菌類は真菌(カビ菌)として認識されており、酵母菌のような単細胞のものから、コウジカビ、アオカビのような糸状菌類のもの、チャワンタケ、ボタンタケのようにキノコ状をなす種類がある。複雑なのは、バッカクキン(麦角菌)からの区分で、その多くはバッカクキン科とノムシタケ科に区分されている。 そもそもバッカク菌は、米や麦など穀物の穂先に寄生して菌糸を増やしてゆく黒カビ状の菌である。これが昆虫の接触によって昆虫の体内に菌糸を蓄えるようになって発芽するようになったものをノムシタケ属として区分するようになった。この種は昆虫の種類があまりにも多いため、サナギタケ、セミタケ、アリタケなどと区分すれば、種類は500種以上にもなってしまう。 日本ではこれらを全て押しなべて冬虫夏草として区分するが、中国では個々に個別の菌名をつけて管理する。 私としては植物に寄生する種類をバッカクキンとし、昆虫に寄生する種類をノムシタケで区分するのも方法だと思い、冬虫夏草に属する上記3例を「サナギタケ」と「冬虫夏草」と「冬米夏草」に区分した。サナギタケは昆虫(蛹や幼虫)に寄生し、冬虫夏草の多くは昆虫に寄生し、冬米夏草は植物に寄生する。ただし、冬米夏草というのは弊社のオリジナルネームで、中国では産地によって北虫草、虫草花、黄金虫草などと呼ばれている。 |