フリーラジカルの功と罪

生理的にこれらのラジカルは、人体に侵入する細菌や異分子を撃滅させるために必要不可欠なものなのですが、過剰に発生してしまうと呼吸器・血管・臓器・骨髄・皮膚など身体のあらゆる部分に損傷を与え、様々な病気を発症させたり、老化を早める原因になるので要注意です。

呼吸によって取り込んだ酸素のおよそ2%は活性酸素になるといわれています。通常、私たちは300ml/分の酸素を取り入れますから、1日に1升ビン5本くらいの活性酸素が体内で発生して、白血球を構成する好中球に含まれ、血管を経由して身体中を巡っています。
そして外敵が現れると、その部分に集まってきて取り囲み、活性酸素を放出して外敵を酸化させようとします。  


フリーラジカルが発生する原因

体内で発生するラジカルのうちで、もっとも量の多いものが活性酸素、もっとも強烈なものが活性酸素とミネラルイオンが結合した<ヒドロキシルラジカル>といわれています。
これらラジカルが発生する第一の原因は血流が悪くなる「虚血」にあるといわれています。

これは血流が一時的にストップした状態のことで、酸欠状態となった細胞では、内部のミトコンドリアに存在する<アデノシン3リン酸(ATP)>が分解されて<ヒポキサンチン>に変わってしまいますが、再びここに血液が流れだし酸素が供給されると<キサンチン・オキシターゼ>という酵素の働きで、ヒポキサンチンは<キサンチン>につくり変えられます。この化学変化の過程で、活性酸素が発生してしまいます。
その他の原因としては紫外線・放射線・超音波・環境汚染物質などの環境要因。殺虫剤・消毒剤・除草剤・抗ガン剤などの薬物要因。防腐剤・酸化防止剤・漂白剤など食品添加剤を使用した食品や酸化した油で揚げたスナックなどの食物要因。
ストレス・深酒・喫煙・寝不足による生活要因をあげることができます。

その一方で、人体には、余剰なラジカルを消去するシステムも組まれています。
体内で産生される<スーパーオキシド・ジスムターゼ(SOD消去活性)>は、活性酸素を過酸化水素に変える酵素で、そして過酸化水素も<カタラーゼ>という消去酵素によって除去されます。
他にも酵素・補酵素の中核を構成するベータカロチン・ビタミンC・ビタミンEなどを補給することも、余剰のフリーラジカルを消去させる手段です。


ラジカルを発生させる虚血

虚血は、指に紐を巻き付けるように外因的な要件でおこる場合と、体調不良という内因的な要件でおこる場合とがあります。
外因的なことはさておき、内因的におきる虚血には、悪性コレステロールが増えた、血圧が高くなった、肥りすぎ、運動不足など生活習慣の悪化があげられます。

虚血になると血のめぐりの悪い青い顔、紫色の唇になり、身体の動きがきわめて緩慢になります。
こうなると死亡率の70%以上を占めるガン・脳溢血・心筋梗塞・糖尿病といった慢性病を発症する入口まで来ているといってもいいでしょう。

善玉菌が生成する健康促進物質の項で「善玉菌は、高血圧やメタボリック症候群の原因となる余分なコレステロールを<コプスタノール>いう物質に変えて体外に排出するなど、肥満のコントロールをします」と前述しておりますし、また、フェカリスAD101株の項でも「腸内でフェカリスAD101株が増えて活性化すれば、ガンや動脈硬化になりにくいし老化もしないということですから、何を差しおいてもフェカリスAD101株の増殖を考えること、すなわち、この乳酸菌が好むエサをしっかりと食べなければなりません」と述べております。
ようするに、腸内環境が改善されて善玉菌が活性化してくれば、フリーラジカルを消去させるSOD消去活性やカタラーゼなどの酵素も活性化してきます。そのためには、食品添加物を含まない食事をすることと、インパクトとして、善玉菌を増やすための最善の菌を食べねばなりません。
雨の日も風の日も休みなく、強烈な紫外線が降りそそぐネパール高原で、毎日40キロメートルも疾走するという猛練習を課せられた馬軍団の女子ランナーたちは、その体内に発生する膨大な活性酸素を、スッポンと冬虫夏草の効果によって押さえ込んだというわけです。