これらの事由から、体内にアポトーシス(プログラムされた細胞死)しない遺伝子を持ったミクロサイズの癌細胞(因子)が形成され、この細胞は代謝によって次々と増殖するが、通常細胞のように消失しないのでどんどん増え続け腫瘍になる。
腫瘍となった部位で細胞分裂を繰り返すケースや、その部位から分離して体液や血液中を浮遊しながら、やがてどこかの臓器や組織に着床するというケースがある。放置しておくと10年ほどの間に細胞数が10億個くらいに増殖して、直径1センチ、重さ1グラムほどの腫瘍に成長するが、この大きさになるとレントゲンやCTスキャン、または内視鏡検査によって発見される。だが、それ以下のものは発見されず、体内のどこかに潜んでいるから患者が増えつづける論理になる。
癌化した細胞が形成されて発見されるまで、この間に、通常の健康体ならば免疫システムが機能して癌細胞を駆逐する。免疫システムとは防壁・炎症・マクロファージを指すが、発見されるまでの10年間に免疫システムが機能しなかったから、癌細胞が増殖してしまったということである。
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